徳永まさひろ 論考・論策

Go To トラベルと2020東京オリンピック

 「Go Toトラベル」が22日から始まり、初めての4連休が終了しました。新型コロナの感染者数が増加傾向にあり、第2波の到来とも言われる時に、東京を除外してまで前倒しをして実施したことは、果たして本当に良かったのかどうか、今後大きく注目されるところであります。
私が一番心配するところは、実施前に政府・与党の方針が二転三転して、国民に対して大きな混乱を招いたことです。もともと「Go To」事業は、所管する国土交通省ではなく、首相官邸や経済産業省が主導して2020年度第1次補正予算に計上した政策です。コロナ架で経済的に大きな打撃を受けた運輸・観光分野の事業者の下支えとして、もともと運輸族と言われた二階幹事長の肝いりで立案された政策と言われています。
しかしそこには閣議決定の際に、コロナが収束した時の想定で、景気浮揚戦略として考えられたわけで、実施の初日に1日の新規感染者数がそれまでの過去最高を提示するような状況は誰も想定していなかったと思われます。感染防止のブレーキをかけながら、旅行を促すアクセルを踏むことは本当にいいのかと、内閣の中でも、観光業界を含めた多くの国民からも批判の声が上がっていたと言われています。
また感染拡大や東京除外によるキャンセル料の補償は、当初国交大臣は、17日の段階では「補償は考えていない」と言いながら、首相はわずか4日後には、キャンセル料は補償すると軌道修正しています。
感染防止と経済再開の両立は確かに難しい選択ですが、一番の問題点は、政策決定過程が極めてあいまいで、無責任体制の中で、ただ右往左往しているようにしか見えないところに、国民の不安が益々増強されていくことです。
事程左様に、東京2020オリンピック・パラリンピックが、来年開催できるかどうかの問題で、議論の過程が全く見えない形で進められていることに、国民も東京2020オリパラに対する期待が薄れつつあるように見えます。本来一刻も早く治療薬やワクチンを開発して、1年後の東京2020オリパラが、世界への平和と健康の大きなアピールにして頂きたいのが国民の切なる願いと思いますが、、あまりにもブラックボックスに入った形での政策決定には、国民も諸手を挙げて歓迎できない状況ではなかろうかと思われます。
政治の不安定は経済の不安定よりも、社会の構造を悪化させると言われています。そこを解決するには、もっと政府は国民に対して正直に語り、そして政策決定過程をガラス張りにして、国民と手を取り合って解決する方法を考えるべきです。一部のエリートや業界団体の利益誘導のためのやり方では、今回の世界的なパニックに打ち勝つことはできないと思われます。
私自身もこれからの状況をしっかり監視して、そして国民と共々にこの苦境を乗り越えたいと思っています。

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