2019.03.27
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平成時代の終わりに考える


4月1日に新元号が発表され、5月1日から新天皇が即位なされます。平成の30年間はいったいどんな年だったのか。私にとっては、平成元年の東京都議会議員選挙で、本格的に政治の世界に足を踏み入れ、政治が国民の生活とどのようにかかわりを持ち、どのような影響力があるのか、まだまだ考え方が青二才の中でも、全てが新鮮で政治の勉強が楽しくてたまらなかった。ちょうど平成元年は、ベルリンの壁が崩壊し、その後ソビエト連邦が解体して、新生ロシアが誕生した時には、世界が大きく変化する躍動感で、政治の醍醐味を味わっていた。その後新進党の誕生とともに参議院議員の公設第1秘書となり、政治改革が本格的に語られる中、日本も政官財の癒着の構造から、国民の生活が第1の本格的な構造改革が図られるのではと大きな期待をもって仕事をしていた。結果として、15年の歳月を経て本格的な政権交代をして、日本の政治が、税金を無駄にしないスリムな行政に構造改革をして、将来の少子高齢化に対して、豊かな心と快適な生活空間を導くための政策が実現できるものと思っていたが、明治以来の官僚中心の政官財の癒着構造は改革できなかった。全くできなかったと言えばうそになるが、先祖がいりをしているという印象である。地方分権改革も一定程度進んできたように思えるが、本格的な地方主権の時代になっていない。それは中央集権的な国からの政策決定があまりにも多く、自立した自治体に育っていないことがあげられる。平成の30年間は、期待と不安が常に重なり合った政治改革といえる。しかし元号が変わる今の政治状況を見たときに、民主党政権が目指していたフリー・フェアー・オープンの政治とは程遠い、改ざんや隠ぺいが平気でまかり通る強者の論理で動く世の中になっている。そして結果として、富める者と貧しいものとの生活の格差社会を生み出してしまっている。また、阪神淡路大震災や東日本大震災など自然災害が多かった時代ともいえる。自然災害の厳しさを多くの国民が知り、一方でそれまであまり注目されなかった、地域の大切さやボランティアのありがたさが分かった時代ともいえる。そして今思うことは、人の命、地域の絆、国の信頼を守るためには、政治の信頼を何よりも取り戻すことである。野党ももう少し大人になって、国民のために大同団結をしなければならない時である。新しい時代の幕開けに一番大切なことは、人が人らしく生活できる、成熟した地域共生社会をもう一度取り戻すことである。次の時代に期待したい。いや期待できるように頑張らなくてはならない。