沖縄県民投票の意味
2月24日に行われた、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画に伴う名護市辺野古沿岸部埋め立てへの賛否を問う県民投票の結果が出ました。「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択のうち、「反対」が43万4273票で投票総数の7割を超え、投票資格者総数(115万3591人)の4分の1を大きく上回りました。したがって、玉城知事は、県民投票条例に基づき、結果の尊重とともに、安倍首相とアメリカ大統領への結果の通知が義務づけられたわけです。玉城知事は、「政府は県民の断固たる民意を真正面から受け止め、『辺野古が唯一』という方針を見直し、工事を中止すべきだ」と述べ、それに対して安倍首相は、衆議院予算委員会で、「世界で最も危険と言われている普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければならない」と、普天間の危険除去のためには「先送りは許されない」と工事を継続することを強調しています。しかし、民主主義を標榜する自由民主党や公明党などの政府与党は、一番身近な問題として、不幸な敗戦の重荷を背負ってきた県民の生の声を無視することは、政党政治も民主主義も全く度外視した、単なる権力を乱用する強権政治の何物でもないことが言えます。日頃、国会や街頭演説で真の民主主義を守らなければならないと言っている与党の政治家は、日ごろの言動が、単なるパフォーマンスでしかないことがよく分かります。残念至極です。もはや数の論理で、国家権力を手中に収めた政府与党は、国民の声を聞く耳を全く持っていないと言っても過言ではないと思われます。平和主義を党是としてきた公明党は、このままで本当にいいのでしょうか。日本の政治はもう一度、敗戦の歴史から学んだ愚かな人間の欲の政治の怖さを思い出すべきです。人間は名誉や地位や財産の欲に駆られて、行き過ぎた言動を繰り返してきました。そこでいつも犠牲になるのが、日々の生活を懸命に生きている一般庶民です。世界は今、変欲のナショナリズムが横行し始め、とてもきな臭い雰囲気が漂っています。米朝の党首会談も単なる権力争いの道具に使われているようにしか見えません。敗戦の結果、沖縄に日本の7割近い米軍基地を背負わせた責任を、今こそ日本の政治は正面から向き合って、米国の意のままになるのではなく、日本の真の自立した平和国家を確立すべきです。したがって新しい米軍の基地は絶対作ってはならないのです。そのことを今回の沖縄県民投票の結果は教えてくれたのではないでしょうか。