2023.02.10
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建国記念の日に思う


2月11日は建国記念の日である。「国民の祝日に関する法律」によると、建国記念日は「建国をしのび、国を愛する心を養う」と記している。なぜ2月11日が建国記念の日なのか。神武天皇の即位日である紀元節に由来していると言われている。神武天皇は、古代日本について記した歴史書「古事記」「日本書紀」の登場人物であり日本の初代天皇で、日本書紀の中で「辛酉年春正月庚辰朔」に即位したと記されている。そこで明治維新直後の1873年(明治6年)に2月11日が「紀元節」として祝日に制定されている。
紀元節として制定された祝日は、第二次世界大戦敗戦後の1948年にGHQの意向によって廃止されたが、国民の間で紀元節の復活を求める声が高まり、国会においても審議が行われ、1966年(昭和41年)に、日本の建国を記念する日として、再び2月11日が「建国記念の日」として制定されている。
しかし法律には「建国をしのび、国を愛する心を養う」ということで祝日になっているが、政府が国を挙げてお祝いをする、また国家の平和と安寧を記念するようなイベントは、一部の神社では行われているが国民が全体的に祝日の理解を深めるような企画は見られない。
昨今の世界情勢は、ロシアのウクライナ侵攻に見られるように、極めて緊張した国際政治が展開されている。その中で目立っている国家としてのありようは、独善的な考え方が先行して、国際協調を望むような国際秩序の構築には程遠い情勢になっている。
人類の愚かな戦争の歴史は、国家を破壊し国民の平和な日常を一瞬にして何度も何度ももぎ取ってしまう。戦争ほど残酷なものはない。戦争を経験した人類が、戦争を回避するために何度も平和的解決を望む国際機関を構築しては失敗をしてきたが、2023年2月11日今日現在の国際情勢を見る限り、また失敗の歴史を繰り返すのではという心配がよぎる。
建国記念日が国を愛する心を養う日であるならば、現在のエネルギー危機や物価高の問題がグローバルな世界での危機の表れであり、今後の展開によっては我が国の平和に大きく影響することを鑑み、もう少し国家の平和と国民の生活の安定を考える日として、いろいろな工夫があってもいいのではと思う。