2020.11.29
ブログ

コロナ対策と国会審議


第3波のコロナウイルス感染拡大が始まっている。

その原因は、冬場の換気不足や飲食を伴う飛沫の感染が大きいとも言われている。しかし大きな要因は、やはり10月1日から始まった東京都を制限から解除したGOTOキャンぺーンの全国展開が大きいのではないだろうか。確かに観光地は人の流れが戻り、各観光地の商店街も恩恵を受けているところも見受けられる。

GOTOトラベルも、GOTOイートも観光業界が大いに期待している政策である。年初から始まった新型コロナウイルスの感染拡大は、航空業界、旅館業界など観光業関連の事業者は、リーマンショック以上の経済苦に悩まされていた。そこで車の両輪として、徹底した感染対策と経済の底支えを全力で取り組んでいることは理解できるが、結果として、第3波の感染拡大が急速に広がった経緯は、しっかりと分析して、どちらの観点からも納得のできる、人々の暮らしと安全を守る政策を実行すべきである。さてそこで、GOTOキャンペーンはどうするのか。私は躊躇なく一時中断すべきではないだろうかと思う。

そしてその代わり、予備費でまだ7兆円を余りを残している中で、迷わず財政的な支援を必要なところに注ぎ込むべきである。問題は政治の膠着状態である。11月25日の国会での予算員会での集中審議を見ても、政府与党がまともに答弁していない。また桜を見る会の安倍前総理の嘘の答弁問題にしても、GOTOキャンペーに対する答弁を見ても、いつまでたっても暖簾に腕押し状態である。国家が危機的な状況下において、人類の歴史を見ても、権力側が嘘の上塗りをした時ほど危機的な世情不安が蔓延してくる。そこに付け込んでまた強権的な政治が国民を犠牲にしていくプロセスが歴史の繰り返しである。

今最も大事なことは、論語の一節「過ちては改むるに憚ることなかれ」を思い出すべきである。小学生でも理解しているこの意味を、どうして国権の最高機関にいる政治家の皆さんは分からないのだろうか。もう一度政治の原点に戻って、この危機を乗り切って貰いたいと切に願う。