岸田新総理誕生に思う。
昨日、1885年内閣制度が発足してから100代目の総理になる岸田内閣がスタートした。9月17日から28日までの12日間、河野、高市、野田候補と総裁選を争う中で、岸田カラーを存分に出しきった結果が、勝利となったのだろうか。私の眼にはそうは見えない。すでに菅総理が誕生した時から岸田総理への路線は引かれていた思う。まもなく行われる総選挙をどうやって切り抜くかを第1義的に考え、全てのシナリオはできていた。その結果が閣僚人事での細田派、麻生派、竹下派に対する気の使いようであり、二階派に対する当てつけである。総裁選の中で、経済対策やコロナ対策、社会保障制度改革、エネルギー改革とすべての議論が今まで散々議論して、何も具体的に改革が進んでいないものばかりである。特にカーボンマイナスゼロを目指す世界的な環境対策の潮流と未だに経済成長の夢を追い続けている二律背反の論調は、すでに時代遅れであることをわかっていない。その影は、権力を利権的に取り扱う、霞が関を始め所得の高い層や大企業の論理が中心になって政策を仕切っている内閣の構造があるからである。その中でも岸田総理の発言の中で、「新しい資本主義」を目指して、所得再分配政策を強化するとは、聞こえはいいが、具体的にどのような施策を考えているのか全く分からない。表紙だけが叫ばれ、中身はこれから諮問機関を作って考えるという。経済対策では世界から出遅れている日本にとってそんな呑気な事は言っている時間はないはずである。総理は自分の内閣を、「新時代共創内閣」と表現し、一刻も早く思い切ったコロナ対策、経済対策を実現したいと述べているが、であれば総選挙を急がず、少しでも予算委員会を開いて与野党で議論を戦わすべきである。どうも私には、国民の視点を逸らしながら、国家権力の乱用を推し進めているとしか見えてこない。しかし、そうは述べても新政権が発足したばかりなので、しっかり監視していきたいと思う。新政権に若干楽しみにしているところもある。どこまで本気なのかこれからが国民にとっても真剣勝負である。