国際サッカー連盟(FIFA)問題
国際サッカー連盟(FIFA)の倫理委員会裁定部門は、12月21日、会長のゼップ・プラッター氏(79)と副会長のミシェル・プラティニ氏(60)に対し、8年間の活動停止処分を科した。
不正な資金出疑惑が立証されたことが、今回の処分の結果であるが、スポーツ界のお金にまつわる話は、枚挙にいとまがない。
中学時代にサッカーをやっていた私は、京都の西京極競技場にプラティニがやってくるとのことで、満を持して見に行った思い出がある。その時に、見事な左足のシュートを決めたプラティニは、美しく輝いていた。
そしてその華麗なサッカースタイルは私の憧れでもあった。
したがって、会長のことはいざ知らず、次期会長も期待されていたプラティニの処分は、私自身もショックだし、世界のサッカー界にとっても衝撃なニュースではないだろうか。
このところ、日本国内においても2020オリンピック・パラリンピックにまつわる、エンブレムや新国立競技場の決定過程の不明瞭な点、組織運営の不可解な点が見られるなど、世界全体にスポーツが本来持っているスポーツ精神の素晴らしさが影を潜めてしまっている。
本来子供たちに、また自信を失った大人たちに夢と感動を与えるスポーツが、一部の不届きな人間によってイメージを崩されることは、決してあってはならない。
江東区は2020年オリンピック・パラリンピックで、9競技が9会場で行われる予定である。本区とって二度とないこのチャンスを最大限生かすために、そのレガシーも含めて検討しているが、いまいち区民全体にオリンピックを盛り上げる機運が起こってこない。
政治に対する不信感、期待していない風潮が長く続いているが、その流れをオーバーラップしているようにも見受けられる。
しかし、世界がテロに怯え、安全保障と経済の低迷に暗中模索の時に、今こそ日本の底力を見せる時と思われる。世界の競争原理や利益至上主義の流れを人間主義のヒューマニティーの世紀へ転換する最大のチャンスが2020年東京オリンピック・パラリンピックでもあると思われる。
この時間をもっと大事にしなくてはならないと、改めてFIFA問題から考えさせられた。