アメフトの定期戦で、関西学院の選手を反則で負傷させた日大の選手が、日本記者クラブで記者会見した様子をライブで見た。その後、テレビ新聞で、記者会見の日大選手の評価や日大のアメフトの監督、コーチの評価、また日本大学自体の対応の評価が語られていました。その中で見えてきたのは、日本大学という巨大な権力を持ったマンモス大学の組織防衛、見えすぎた噓をつく日大アメフト部の監督のコメントから見える大人の我儘な自己防衛の論理。あまりにもお粗末な対応である。一人の学生の純粋な考え方、倫理観、将来の人生を踏みにじる対応に、腹立たしさが煮えたぎってきたの私だけではないと思う。一方そうした巨大な圧力に屈せず、自らの意思で記者会見を行った宮川泰介選手は、なんとしても良心的な大人の世界がしっかり守らなければならないと思う。たとえ、監督、コーチから反則行為を促されても、自らそのことを断れなかったことを相当悔やんでいるようなコメントであったが、絶対権力者から言われれば、なかなか反発できないのが実態でもある。そのことを２０歳の青年に追い込んだ大人社会は、大いに反省しなければならない。そしてこの問題が、実は現在の日本の社会の病理の一面を表していることを気づかなくてはならない。森友・加計問題の安倍総理と官僚の答弁がまさしくそれである。政権の絶対権力が、心ある官僚も民間も全て抑え込んでいるような状況は一刻も早く解決しなくてはならない。公文書偽造にもみられるように、今まさしく日本の民主主義が壊されようとしているのである。国民の真の声が、普通に表に出すことができる社会を、今こそしっかり守るべき時である。