ゴールデンウィークに考える
ゴールデンウィーク終了の最初の日曜日に、改めてゴールデンウィークの意味を考えてみた。
充分連休の時間を取っている大企業は、4月26日から11連休の休み。中小企業や役所は、暦通りの休み。またサービス業にとっては、稼ぎ時で休みなしとくる。
それぞれ立場や業種によってゴールデンウィークの休みの取り方は色々あるが、祝日の意味は誰にとっても同じである。
4月29日の昭和の日と5月5日の子供の日は、心静かに子どもとほのぼのと時間を過ごす雰囲気があるが、5月3日の憲法記念日は、個人で厳かに迎えるという凛とした気持ちが彷彿し、また日本人であるという国家を意識する日になっている。
私自身は、そのような思いもありながら、ゴールデンウィークは数々のイベントであっという間に終わるのであるが、その中で、4月28日が、今年は意外と静かに過ぎていったことに不思議な思いがした。
4月28日は、サンフランシスコ平和条約が発効し、日本が国権を回復した日である。まさしく日本の独立記念日ともいえる。
この日を祝日にしようという動きもあるが、まだ実現していない。
昨今の集団的自衛権の行使ができるかどうかの憲法論議も、日本が日米安保体制の中で、自立した国家としてのありようを議論するにしても、4月28日はもっと意識してもいいのではないのかと思う。
つまりゴールデンウィークのは、国内外の旅行などの余暇や娯楽の話だけではなく、日本の戦中戦後を1年に一回振り返り、歴史の教訓や、その反省の上に日本の平和国家としての使命をどう維持していくのか、また世界の中の平和を希求する中心的な国家として、何ができるか熟議する時間ともいえる。
しかし、そうした観点は、5月3日の憲法記念日に少し触れるぐらいで、ゴールデンウィーク全体のマスコミ各社の取り上げ方を見ても淋しい限りである。
ゴールデンウィークは余暇を楽しみつつも、まさしく憲法の精神である、人間の基本的人権と平和主義と国民主権を時間をかけて語る時間でもあることをもう少し認識すべきではないでしょうか。