東京都知事選挙
7月14日から始まった都知事選挙が残り5日間となりました。マスコミ報道では、有力3候補の内、小池候補がリードしてそのあとを増田候補と鳥越候補が追う状況と分析していますが、果たしてそうでしょうか。小池候補も増田候補も自民党の候補者です。小池氏は離党もしていませんし除名もされていません。つまり組織票と浮動票を抑えれば、野党統一候補には負けるわけないという戦略が見え隠れします。
国政で与党は衆参両方で3分の2を取り、東京都知事選で勝てば、自民党にとって完全制覇になります。戦後政治の最大の悪政といわれた、政官業のなれ合いの構造を何としても温存したい、特に都議会の既得権益を壊されたくない自公与党体制は、極めて巧妙な戦略を考えたとしか考えられない選挙戦になっています。
一方鳥越候補は、参議院選挙の結果を見てこれでは日本がおかしくなるという理由で、立候補を決意したわけですが、選挙をやった人であればわかるはずですが、76歳の高齢で、しかもがんの手術を4回も受けながらなおかつ挑戦する決意は、正義感以外の何物でもないと思います。鳥越さんには全く私利私欲はなく、ただただ現状の政治状況があまりにも日本の将来にとって危険すぎると本気で思ったから出馬したのだと思います。
だから私は応援するのです。私の好きな論語の一説に「其の鬼に非してこれを祭るは、諂いなり、義を見て為ざるは勇なきなり。」という言葉があります。まさしく今の日本の政治を象徴している言葉で、その気もないのに権力に諂い、おこぼれをもらうような政治は、国民不在の権威主義体制そのものになりつつあります。そこに正義があっても見て見ぬふりをする政治は、完全に腐敗してしまいます。
そこを今回の知事選で立ち上がったのが、鳥越俊太郎さんだと私は思っています。ジャーナリストとして51年間、反骨精神を持って生きてきたご自身の信念を、ここで裏切るわけには行かないと思われたのではないかと感じます。
その意気に感じて私は何としても鳥越さんに勝って貰いたいと思っています。24歳の時、公明党の都議会議員の秘書として政治の世界に飛び込んだ私は、都議会の自公体制の権力の集中はよくわかります。またその後新進党、自由党、民主党、民進党の変遷の中で、31年間見てきた政治の表裏を考えれば、今の日本の政治が、いかに権威主義的になっているか、一部のエスタブリッシュメントの集団のために行われているかがよくわかります。
今回の都知事選挙はそこにメスを入れる最大のチャンスです。民衆の底力をここで見せる時と思います。あと5日間、正義が勝てる試合にしなければと思っています。皆さんよろしくお願い申し上げます。