東日本大震災から5年
今日東日本大震災から5年が経ちました。平成23年3月11日午後2時46分、私は亀戸の事務所で区政相談を受けていました。突き上げる激しい揺れに、相談者とともに事務所前の公園に出て周辺を観察しました。周りのマンションのベランダには、つり天井で設置されていたクーラーの室外機が大きく揺れて、今にもすべて落ちそうな状況でした。
事務所前の一時避難所の公園には、近所のマンションの住民や保安帽を被ったサラリーマンの方々など、所狭しと集まってきました。集まった人々は地震の状況を把握するのに時間がかかりました。不安だけが漂う人の集まりは、焦燥感に負われていました。
その日の夜は、帰宅困難者と近隣から避難してきた人々のお世話で小学校の体育館にいました。そこでも、連絡がなかなか取れない中、家族の状況や地域の状況、故郷の状況を確認できない中で不安だけが先行して、落ち着かない人の行動がつぶさに確認できました。
東京で様々な困難な状況が見られている中で、東北三県の沿岸部の状況は、計り知れない被害を被っていることは瞬時に理解できました。こんな残酷な自然災害が本当にあっていいものか、こんなに簡単に人の生活を人生を狂わす出来事があっていいものか。自問自答しながら自分ができることが何か色々と考えさせられました。
石巻市出身の区民から、放置自転車が購入したいと申し出がありました。現地では交通手段がないので何よりもまず自転車が必要だということで、区で保管している自転車を売ってほしいとのことでしたが、個人には売らないことが規定されていて難しいことがわかりました。しかし石巻市の要請があればすべて行政で手配をして送り届けることができるということで、私は石巻市にアポも取らず飛んでいきました。
現地を始めてみた時、自然災害の恐ろしさを肌で感じました。震災を実際に体験した人は、本当に大変なことだろうと改めて実感しました。
あれから5年目迎えた今日、日本の政治はこの5年間、国民の何を守り、何を後押しすることができたのか。国民の生命と財産を守ることが国会議員の使命とよく言われますが、今の世の中が、本当に国民の安全と安心を守る体制になっているのか。私はどうしてもその通りと言えない、国会審議の状況や政治家の行動が見受けられます。
原発の再稼働の問題、被災地の復興の問題、国の安全保障の問題、税と社会保障の一体改革の問題等、直面している社会問題は山積です。しかしそれらを一つ一つ真摯に解決していこうという気概が見えてきません。
一方で2020年の東京オリンピック・パラリンピックを4年後に迎え、新しい日本の姿を世界にアピールするチャンスも迎えています。皮肉なことに2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致活動の最終的な重要会議の開催日に東日本大震災が発災しています。
震災から5年、今一度、日本の政治がやるべき様々な施策の優先順位を見直す時と思われます。そして、日本の将来にとって、本当に必要な施策は何か、経済ばかりが優先されている現政権の考え方を見直すべき時が今だと思います。